JEY-J ft. SHIN HeavensDust

JEY-J ft. SHIN

思春期の期間、そして成人後もアメリカや海外で過ごし音楽に熱を注ぎ込む。奇遇にも、お互いにどこか似た人生を歩んでいるかのように感じている二人のアーティスト。実際、海外では幾度となく様々な壁が立ちはだかった。

HIP-HOP ARTIST "JEY-J"
普段の穏やかさとは裏腹に、心臓が揺れるような迫力のあるサウンドでラップを披露するJEY-Jさん。自身がハーフある事を前向きに考え、バイリンガルとしてのスキルを生かし、様々な国へと渡ります。しかし、リリックの中では周囲には決して普段語らない想いが語られているのです。

時としてシリアス、サイコなフレーズを口にします。JEY-Jさんが数年前にリリースしたアルバムの曲のおよそ半分が過去のエピソードを表現したものである事。それは幼少期から思春期まで遡る。つまり記憶を呼び起こして作られたアルバムとも言えます。

メジャーデビューを果たした二人のアーティスト

90sヒップホップにロック+メタルの要素が加わる


SHIN HeavensDust

和の真髄とロックやメタル等の洋楽カルチャーが合わり、過去アメリカのレーベルと契約を果たした。

日本人の誇り"HeavensDust"

そのSHINさんとJEY-Jさんがバンドを組んだきっかけも含め、気になるお話をお聞きする事ができました。



ーはじめにー

前回も記事にさせていただいたJEY-Jさんですが、アメリカ国内の様々な地域で生活し、日本に来たのは10歳前後だったよう。その後も高校時代はコロラド州、それからハワイ、ニューヨーク、ロザンゼルス等に渡り、現在日本に在住。ライヴは勿論、様々な地域で感性を磨きながらオリジナル曲を制作してきました。

実際、どんな想いでJEY-Jさんは、アルバムを制作されたのでしょうか?

ー以下、JEY-Jさんよりー
一先ず、普段からあまり過去を話さないから何から伝えていいのか…。難しい。これは性格かもしれないけど、リリックでは色々と思った事を書いて表現している。実際にラップする時も、良くも悪くも過去の自分に戻る感じ。

リリックにもあるように、ハーフのイメージは色々ある。ただ、アメリカでは日本人と言われ、日本ではアメリカ人と言われる事が多かった。

「外人はやっぱり…」みたいなイメージはどこに行ってもついてくる。

それを深く考えさせられたというか、実際はどこの国とかいう問題ではなくて、自分自身の問題。人は皆、個性があるよ。

自由に表現するし、生き方も自由を求める。それも勝手な話かもしれない。

どこかで気が合った時点でそれは奇跡

何が普通で何が変わってるのか…その感覚は人それぞれだと思うし。まぁ、常識って言葉があるくらいだから、そこからは外れたら変わってるって話になるだろう。

人それぞれ考え方が違うのは当たり前だと思ってるから自分らしくいたいのかも。
だから、他の人も考えが自分と違っててもいい。

ただ、そう思ってても気が合ったり考え方が似てる人がいるから、そこが驚きというか…

つまりバンドメンバーや関わってきたエンジニアやクリエイターとのマッチングはまるで奇跡。

自分の中に様々な人格が存在する…それを素直に認められない
人には表の面と裏の面があると思う。普段、明るい人が意外と孤独を好んだり…。

アルバム"THE THISORDER"は表の面も裏の面もを全て出している。それ以上に"多重人格"というか、自分をコントロールして強気になった時…、人前では見せられないくらい気持ちが曇った時…、過去の自分への怒りだったり、自分の甘さや欲望だったり…、これはJEY-Jだけに関係する話ではないのかも。

実は一人の人間の中に何人もの人格がいて、その時その時で演じてるんだと思う。無理して演じてる時もある。そして、それを自分自身が眺めてる感じ。

「お前何やってんだ…」とかね…
これは自分の気持ちが冷静な時。

勢いのある時は、その時の自分を本当の自分だと思いたいから、自分を客観的に見れない。ただ、後から考えると勘違いだったり、間違いに気付くときもあるけど、その時はその時…

正直な気持ちで歌詞を書くと自分を見つめ直せる 「自分の中のボスは自分自身」

INTRO(イントロ)という名前の曲がらあるんだけど、これは20代前半で怖いもの知らずの時に制作したから、歌詞にも勢いがある。今自分で聴いても、勇気づけられるよ。


「お前の中のボスはお前だろ?だったらお前が自分自身で決断するんだ」って、これは自分自身の心の中の闘いを表現してる。

後は、自分が弱った時に抱えてしまったトラウマを"悪魔"という言葉に例えてラップする。「また悪魔が襲ってくる…」みたいな。まぁ、これについては話せば長くなる。


ジャンルは異なるが共感できた…

SHINとft.した時の曲は、その"悪魔"に立ち向かう気持ちで二人で歌ったよ。この曲は自分で言うのもおかしいが歌うときは毎回鳥肌が立つ。


SHINもそうだし、お互いに人生の共通点があったから。他のメンバーや関わる人間もそうだし、やっぱり似たところは感じる。まぁ、個人的な意見だが、何度も言うけど違う人間同士が一緒の方向に向いた瞬間は本当に感動する。

90年代ヒップホップにロック、メタルの文化的要素が加わる

ジャンルは違ってもいいんだな…って、そもそも"カッコよければいいんだよ"って素直に思った。

だから、"SHIN"HeavensDustと、どんな話をしてフューチャリングする事になったかは、実はそんなに覚えていない。それよりも、その時の感情の動きが忘れられない。

それは、まさにSCREAMということで。

他のメンバーの話もSHINの話も、まだまだあるけど、音楽の話は、いくら時間があっても語りきれない気がする。

↑長い旅の末に辿り着いた世界が広がります。

JEY-Jさん有難うございました。

人格的な部分においても、例えば言葉にしても道徳に従って人に合わせて選んでいる部分は少なからず誰もがあると思います。案外、本音はどこまで話していいのか…とか、躊躇してしまうこともありそうですが、それを音楽のリズムに乗せて素直に表現する。

SCREAMに通じるエピソードでした。ジャンルは異なってもカルチャーとして通じるものであったり、元々同じ軸の中で枝分かれし、同じ方向を向きながら交わっていく。元は「一本の木」であったのかもしれません。

分かりにくい例えで申し訳ないです。音楽もルーツを辿ると、だんだん絞れてきますし、例えばブルースもヒップホップと関連している…。ロック、メタルはJEY-Jさんの感性とマッチングがもの凄く高い…むしろベストマッチだと思います。

今回、お話を聞けてよかったです。僕自身、ロカビリーと向き合いつつ自分の感性を磨きながらオリジナル色を深めていきたいです。

本当に参考になるお話を有難うございました。

RYO NAKAYAMA